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よしかわも田植えの季節 1)育苗

よしかわも田植えの季節 1)育苗

いよいよ田植えの季節が迫りました。
降雪が多かった今年は、雪が消えるのが遅くなり、
例年より1週間ほど遅れての田植えになります。

よしかわでは、早稲種の酒米「五百万石」から始まり、
「越淡麗」を経て晩生種の「コシヒカリ」、酒米「山田錦」と、
3週間から1ヶ月の間順番に次々に植えられていきます。

田植えを前にしたこの時期、私たち米農家は<代掻き>など圃場の世話と同時に、<苗作り>に追われます。
ところで「田植え」とは、言うまでもなく稲の「苗」を圃場に移植することですが、
「育苗」と「本田での栽培」が別、というのが日本の米農業の勘所。

小麦の場合のように稲を直播で育てると発芽率が悪くなり、
また若い芽の時点で虫害やウイルスの害にさらされ、ちゃんと成長する確率が低くなります。
その結果収量が低くなり、品質が揃ったお米を作ることが困難になってしまいます。
そこで、ある程度まで育った健全な苗だけを水田に移すことで、
高品質のお米が高収量で収穫できるようになったわけです。

さらに明治時代以降になって、苗代に覆いを掛けて保温する技術が開発されると、
そのおかげで田植えの時期が早められ、日照不足や冷害の被害を受けやすかった寒冷地の東北地方でも、
お米が安定して生産できるようになりました。

「苗代」というのは、画期的な大発明。
日本であたりまえのようにおいしいお米を食べられることができるのは、
苗代と本田が別になってからのことなのです。

そんなわけで、まず「田植え」のお話の前に、「苗」のお話を。


よしかわ育苗ハウス


↑上の写真はハウス内の苗。
熱湯で消毒し、選別された籾は育苗箱の中で厳密な管理のもとで育てられます。
ハウス内の苗は、害虫やウイルスの危険性を免れて、すくすくと育っていきます。

特に大事なのが「苗の質」。
「苗半作」と言う言葉の通り、苗のよしあしがその年の作柄の半分を決定するからです。
苗の質は収量や品質へ大きな違いをもたらします。
虫やウイルスの害を排除し、苗の背丈や葉の位置や枚数、根の状態…
田に植えたその瞬間から稲が元気に成長ができるよう、細心の注意を払ってベストな状態に育てます。

よしかわ苗

↑上の写真は田植え直前の苗。緑も濃く、茎もしっかりとし頑丈で、
根もたくさん出ており、理想的な状態に育っています。
籾から出芽後3週間ほど、丈は13~14センチです。
苗の一番下の葉が付くところを「腰」、その下の部分を「足」と呼び習わしていますが、
その足の長さが3~4センチになるように育てるのも重要なポイント。
足が短いと田植え後水を引くと水没してしまい、傷んでしまうからです。


稲の質が良くないと、
植えてから冷温や風で痛んだり、根の伸長や分けつが不十分になったり、穂が減少したり、
また生育が不揃いになって、適切な栽培管理が出来なくなってしまうようなことが起こります。
そこで私たちはしっかりした健全な苗を育てるべく努めるわけです。

お酒の世界では「一麹・二もと(酒母)・三造り」と言って、
お酒作りの最初の段階である「麹造り」が一番重要とされています。
ちゃんとした麹が出来ないと、あとで取り返しがつかないからです。
稲作りの場合に「苗の出来」が重要なのもそれと同じなのです。

5月14日の記事“よしかわも田植えの季節 2)田植え”に続きます。

越後よしかわ杜氏の郷
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toujinosato

Author:toujinosato
上越市吉川区の蔵元です。
永田農法で最高品質の酒米を育て、地元のブナ原生林の湧水を使い、江戸時代から続く吉川杜氏の技術で、米・水・技術すべてが100%地元産の「真の越後地酒」を作り、味噌・醤油、蕎麦などの伝統食品やジェラートなど、よしかわの美味しさを発信しています。

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