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よしかわの永田農法栽培の稲は「中干し」の最中です。

7月17日に上越も梅雨明けを迎えました。各地で過去最高気温が記録され、「異常気象」の声も聞こえてくる今日このごろですが、よしかわでもやはり高温多湿、蒸し暑い日々が続いています。ここ数年、5月・6月は低温・低日照気味で稲の生長が停滞気味のまま梅雨明けを迎えることが多かったのですが、今年は気温・日照ともに恵まれ、稲は順調に生育、「中干し」の時期を迎えました。

テレビで「秋田では暑さの影響で通常より稲の背が高くなっている」と言っていましたが、確かにこのような気候では稲の生長速度が速くなり勝ち。そうなると出穂率が下がってしまいますし、倒伏の危険も増します。でも永田農法で育てる稲は大丈夫。永田農法では、栄養生長の段階(出穂の前)では大きくならないように育てるからです。

永田農法稲1
↑「中干し」直前の稲。
私たちは、稲はなるべく背丈は短く、葉の色は薄くなるよう育てています。分けつは一本の苗に対して6本を目標に抑制(普通は10本以上)します。普通の栽培では3~4割は、穂が付かない茎ができてしまいますが、永田農法では9割以上の茎に穂がつくよう、さまざまな技術を駆使して栽培します。


さて、「中干し」とは田んぼの水を抜く作業のこと。
頑健な体格の稲を作るための重要な工程です。
水を抜くことで、水の中で酸欠状態だった根に空気が与えられ、土中に溜まった有害なガスも空気にさらされて除去されるため、根が活性化し、同時に土中の余分な窒素が取り除かれるため、稲の無駄な分げつや伸長が抑えられます。
しっかりと土の中から栄養を吸収できる健全な根や、倒伏しにくい丈夫な稲な茎はこの中干しによって出来上がり、稲は出穂から稔りまでの重要な時期を、万全の体勢で迎えることができるようになるわけです。

「中干し」は、田んぼが乾いたら水を入れ、しばらくしてまた干すという作業の繰り返しです。永田農法の場合は、3日に一度くらいの頻度でこれを行いますが、
ここで、「小さく育て」た効用が活きてきます。一般栽培のように稲が大きく育っている場合、水を入れると、さらにどんどん成長してしまいます。そこで水を入れないようにすると、土が乾燥しすぎて、根が傷んでしまう、というジレンマに陥ってしまいます。
しかし永田農法の場合は栄養生長の段階で稲を小さく育てているので、稲の様子やお天気と相談しながら、今日は水をあげよう、今日は乾かしてやろうと、きめ細く水の出し入れを行うことができます。必要最低限の水を、こまめに出し入れすることがポイントなのです。

このように細心の注意を払って中干しを行うと、稲の根は数を増やし、土の中を深く広く広がっていきます。最低限の肥料と水しか与えられていない稲は飢餓状態になり、少しでも多くの養分を吸収しようとして、白くフワフワした細かい根(毛細根)を土中いっぱいに広げるのです。この毛細根は、肥料や水が多すぎる田んぼでは絶対に出現しませんし、稲の様子を見ながらのきめ細かい水の出し入れがなければ出てこないのです。

この毛細根を生やすことこそが、永田農法のポイント。稲本来のの生命力が引き出され、栄養価も糖度も高い米ができるのです。この根を永田農法農家では「旨い根」と呼びならわしています。

永田農法栽培稲の旨い根1
↑白いもやしのように見えるのが「旨い根」。この根に産毛のような毛細根がさらに発生してきます。

永田農法栽培稲の旨い根2
↑土が乾いて皹が入ると、土中の毛細根が確認できます。クモの巣のように見えるのが「旨い根」。

この「旨い根」はこの後もどんどん発達し、地中に広がっていきます。水抜きをして田圃に入る度に、毛細根はクッションのように厚みを増してくるので、地面に弾力が出てきます。最後にはまるで絨毯の上のようにふかふかになります。毛細根に覆われた永田農法の田圃では、秋に稲を引き抜こうとすると、バリバリと音を立てて、地面ごとはがれます。

この根が、倒れない丈夫な稲と美味しいお米を作るための栄養をしっかり土から吸収して、
出穂を迎えます。

越後よしかわ杜氏の郷
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toujinosato

Author:toujinosato
上越市吉川区の蔵元です。
永田農法で最高品質の酒米を育て、地元のブナ原生林の湧水を使い、江戸時代から続く吉川杜氏の技術で、米・水・技術すべてが100%地元産の「真の越後地酒」を作り、味噌・醤油、蕎麦などの伝統食品やジェラートなど、よしかわの美味しさを発信しています。

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